みんなどんな理由で来ているのだろう
住所変更に伴う免許証変更の手続きをずいぶん昔にやりました。昔の話なので、いまはICチップにピッ!なんでしょうか。
そのときには、所定の受付に出して変更場所のメモみたいなものを受付の人が記入していた時代だったと思います。
午後4時半に到着した私。署に入ってみるとけっこうにぎわっていました。
場所が場所だけに、浮かない顔をして受付に座っている人が多いようです。何をやったのか知りませんが、作業服の男性はふてくされているし、年配の女性はうつむいています。
そこへ、男性2人組があわてて入ってきました。50歳くらいと20歳そこそこの見るからに親子。
うしろに隠れるようにしている息子はおどおどしていて、父親は息子のしでかした不始末を自分がなんとかしなければ、と腹をくくってきたように見えます。
彼らは受付を通り越し、小走りで奥に向かいました。あの親子は今日を一生忘れない気がします。
1人の女性が彼らとすれちがうように、玄関まで歩いてきました。ニコリとしながら、遠慮がちに「お疲れさまでした」と職員に挨拶。かわいい人です。こういう人も働いているんですね。
その後、私の手続きはあっさりと終わり、免許証の裏に住所変更の証明が記録されました。
帰りがけ、せっかく遠出してきたのだからと、駅のほうまで自転車でまわって帰ろうと坂道を降りていきました。
すると、さっきのかわいい人が先を歩いています。そのとき、彼女の足取りが目に入りました。
歩き方がその……ガニマタでした。さすが警察勤務。武道の鍛錬に余念がないのかもしれませんね。